はじめてのフレームワークとしてのFuelPHP

「はじめてのフレームワークとしてのFuelPHP」(鈴木憲治著)を読みました。

書籍の最初のほうで、環境構築に結構ページを割いています。Windows, Mac, GNU/linux の場合の解説があります。また FuelPHP だけでなく、開発環境についても説明があるのは嬉しいですね。私はずっと vim を使っているのですが、IDE を活用するのも悪くはないな、と思いました。

中盤では、単に FuelPHP の解説というより、フレームワークの解説(コントローラとは?モデルとは?といった部分)が充実しています。フレームワークを使った開発をこれから行う、という方に良いと思います。フレームワークについて学ぶ題材として、FuelPHP は適度な規模でぴったりな気がします。(「効率的なWebアプリケーションの作り方」では Symfony を取り上げていますが、Symfony はフレームワークが始めて、という人にはヘビーでしょう。)

後半では、実際にコンタクトフォームを作ります。題材は標準的だと思いますが、テストを書く、という部分をしっかり解説しているのがいいですね。テストに関しては、「効率的なWebアプリケーションの作り方」でもかなりの記述がありましたが、「はじめてのフレームワークとしてのFuelPHP」はさらに詳しい説明があります。カバレッジの測定、phpunit.xml の設定、自動テスト、等に触れています。(テストについてここまで書いてある書籍は、PHP ではほとんど見かけません。)
FuelPHP のコアコードには、テストが書かれていないものもあります。本書でテストについて学んだら、自分のアプリケーションのテストだけでなく、FuelPHP のコアコードのテストも書くと良いかもしれません。

FuelPHP の機能を網羅的に紹介した本ではありません。なので、FuelPHP に用意されているクラスであっても、触れられていないものもあります。http://docs.fuelphp.com/を読んで FuelPHP の機能を調べる、といったことが必要になるでしょう。

書籍は、達人出版会から電子書籍で出版されています。書店で探しても置いてないので注意してください。