コマ大数学科6月19日(金)(サンテレビの放送日)で、カントールの対角線論法が少し紹介されていました。そこで集合について考えてみたいと思います。無限集合の濃度等まで話が進むのでかなり大変ですけど。
二つの集合の要素を1つずつマッチングさせていき、半端が出ないことを、「一対一対応」と呼びます。
数学では、写像(集合から集合への要素の対応付け)としてとらえます。「単射」「全射」という概念を用います。以下では集合Xから集合Yへの写像について考えます。
- 単射: すべての「Xの要素」に対応する「Yの要素」がある
- 全射: すべての「Yの要素」に対応する「Xの要素」がある
単射かつ全射の場合を、「全単射」と呼びます。日常用語の「一対一対応」は、人によって解釈が異なるようです。数学を議論する場合は(そんなことが日常で起こるかどうかは知りませんが)、日常用語ではなく、数学用語を用いるほうが良いでしょう。
有限集合の場合は、全単射なら要素の個数が同じです。無限集合の場合は、全単射が成立する無限集合、濃度が等しいとみなします。
不思議に思うかもしれませんが、自然数と有理数の濃度が等しい、ということが証明されています。
一方、自然数と実数の濃度は異なります。この証明にカントールが用いた方法が、対角線論法として知られています。
長くなったので、カントールの対角線論法の詳細は次回紹介します。
>単射: すべての「Xの要素」に対応する「Yの要素」がある
これは写像の定義です。
XからYへの写像:すべてのXの要素に対して(重複を許して)対応するYの要素がある。
正しい単射の定義は、
単射:異なるXの要素に対応して異なるYの要素がある
すなわち、x1≠x2ならばf(x1)=y1≠y2=f(x2)
ご指摘ありがとうございました。
読み返してみると、「それぞれ別の」という意味が全然含まれていませんね。日常語で数学するのは難しいですね。どうもすいません。