WordPressにはPHPの知識が必要、という意見をよく耳にします。実際、CSS Nite in KANSAI, LP1 プレセッション(1月25日atアップルストア心斎橋)の質疑でも、そういう質問がありました。
ブログを書く場合には、PHP のことは意識しなくても良いのですが、あれこれとカスタマイズしようと思うと、PHP の壁にぶち当たることがあります。もちろん、PHPの学習コストをデメリットと考えるなら、WordPress 以外のツールで、Dreamweaverが前提に近いものは、Dreamweaver の導入/学習コストも考える必要があります。
また、汎用的に使える知識かどうか?という点も重要です。PHP を学べば、WordPress 以外のツールを使うときにも役立ちます。特定の CMS 専用タグよりも、PHP のほうが活用範囲は広いでしょう。PHPの学習コストが高いとしても、それ以上にメリットがあるかもしれません。
で、WordPressにはPHPの知識が必要といわれる理由を考えてみました。
1つ目の理由は、PHP の設定(サーバーの設定)によっては、WordPress 機能の一部が使えないこと。自動アップデート、テーマ/プラグインインストールやアップロードサイズの制限等が影響を受けます。(php.ini編集可能レンタルサーバーなら自分で設定できます。自動アップデートは allow_url_fopen、アップロードサイズは upload_max_size、post_max_size を編集します。ただし php.ini を編集する場合は十分注意してください)。ただしこの点は、他のCMSでも同じですね。仮に、自分がPHPを知らなくても、会社の中で誰かはPHPを理解していないと、その会社に発注するのは怖いでしょう。
2つ目の理由は、WordPress とプラグインの動作条件が異なる(可能性がある)こと。WordPress 本体は PHP4 でも動くらしいですが、PHP5 前提のプラグインも結構多いです。 WordPress 3.2 以降は、PHP5.2 環境が必要になりました。プラグインのドキュメント(readme 等)を読めば記載されていると思いますが、ドキュメントを読まずにプラグインを入れると、エラーメッセージが出たり、画面が真っ白になったりします。PHP の知識があれば、「PHP のバージョンが原因かもしれない」と思いつくかもしれないですが、PHP を知らないと、エラーが出たらどうしていいか分からない、というケースがあるかもしれません。
3つ目の理由は、(単にブログとしてではなく)カスタマイズして WordPress を使う人が増えていること。WordPress を好む人は、テンプレートが素の PHP で書かれていて、カスタマイズの自由度や柔軟性が高い点を評価します。しかし、PHP 未習得で、これから WordPress を使おうか、という人にはとっつきにくいかもしれません。
PHPの知識が必要ないCMS、ということだと、Novius OSやconcrete5あたりでしょうか。