OSC東京でSAHANA(サハナ)を紹介しました。SAHANAとは、災害時の情報管理ツールで、避難所、行方不明者、救援物資等の情報を集約、一元管理するウェブツールです。行政やNPO等が活動するときの支援ツールです。個人でこのツールを使うケースはまず無いでしょう。むしろ、非常袋を用意する等になるでしょう。
セッションでは、SAHANA の紹介、ローカライズの問題点、オープンソースコミュニティについて話しました。
Sahana Eden(python版)をベースに紹介しました。PHP版もありますが、python版のほうが設計、ユーザビリティ等に優れています。まだ開発途上ですが、ハイチ地震やパキスタン洪水等で実際に運用されています。データのエクスポート機能も、PDF、XLS、RSS、KMLが用意されています。
質疑の時にはCSV等からインポートできたら、という話がありました。現時点では対応していないようですし、今後も本家で対応は難しいかもしれません(あくまで予想ですが)。CSV等のデータを事前に用意できるのは先進国の一部でしかなく、災害現場ではおそらくCSVを入手するのは困難だろう、と思うからです。もちろん、日本ローカライズ版で追加するのは検討する価値がありそうですけど。
ローカライズは、用語や文書の翻訳だけでなく、住所郵便番号等を日本の形式に合わせるなどが必要になります。本体の開発がどんどん進むので、人手が必要です。
最後はオープンソースコミュニティの話をしました。Sahana は、web2py という python フレームワーク(GPLで配布されています)に乗っかっています。また、Open Street Map という、自由に使える地図作成プロジェクトを利用させてもらっています。SAHANA の開発コミュニティはもちろんですが、他のオープンソースコミュニティあってこそ、といえます。
質問では、ushahidi(犯罪情報を集約するウェブツール)の話も出ました。聴きに来てくれた人は、防災関係に興味のある人が大半だったように思います。
自治体関係者の反応という点では、OpenOffice と被ったせいもあるでしょうが、期待外れでした。OSC government は一朝一夕には成し遂げられないでしょうから、今後も地道に活動することが大事でしょうね。
神戸では、10月17日(日)に、Open Street Map マッピングを予定しています。また12月頃に、SAHANA について紹介したいと思います。
その他にも、11月5日(金)、6日(土)のKOF、11月27日(土)のOSC島根あたりに顔を出したいと思っています。