WordCamp Tokyo 2012 でプラグインの有料販売についてお話ししましたについて。
三好隆之さんの発表をざっとまとめると、下記のような感じでした。私の聞き間違いなどがあるかもしれませんので、自分で確認したいかたはセッション動画をご覧ください。
- 有料のテーマが増えた。有料のプラグインも増加傾向
- 有料のテーマが質が良いとは限らない。コンフリクトが起きることがある。
- 有料だと、利用者が少ない。フィードバックやバグ報告が少ない。
「有料のテーマが質が良いとは限らない」のは間違い無いですね。もちろん質の高い商品もあるでしょうけど。これはオープンソースであることの宿命かもしれません。とはいえ、現状の WordPress を改善することはできるように思います。
例えば、公式ディレクトリに、有料テーマ・プラグインの販売所を設置する。有料配布できるのは、無料テーマ・プラグインの配布実績がある人や、フォーラムで一定以上回答している人、とすれば、「有料のテーマ=質が保証されている」という形にはできるのではないかな、と思います。あるいは、基本機能が無料+追加機能が有料(たとえば、 Advanced Custom Fields プラグインなど)のみ販売する、とするのも良いかもしれません。WordPress の管理画面でのインストール・更新は有料だが、ソースコード自体は svn レポジトリで閲覧可能、みたいな方法も考えられるかもしれません。
「有料だと、利用者が少ない」のも間違い無いでしょう。この点は、私は問題には感じませんでした。開発者自身が「広く利用してもらいたい」なのか「収益を上げたい」なのかを考えた上で、無料にするか有料にするか決めれば良いでしょう。
私が作ったものはどうしているか
無料のものも、有料のものも作成しています。ShowID for Post/Page/Category/Tag/Comment、Source View、Debugging Translationなどは無料にしています。これらは開発支援の要素が大きいです。開発者が増え、プラグインが増えれば、選択の幅が広がるので、私を含めて皆にメリットがあります。「広く利用してもらいたい」を優先させています。
Advanced Custom Fields のアドオンでも、HTML5 スライダー、QR コード作成、カスタムフィールドでショートコードを入力、表示は無料にしています。Advanced Custom Fields のカスタマイズ事例を知ってもらう、という視点でそうしています。
一方で、その他付きラジオボタンは有料にしています。こちらは確実に業務用のプラグインなので、収益を目的としたものです。個人ブロガー向けではないので、広く利用してもらう必要はない、という判断です。
有料のものには、どうしているか
Advanced Custom Fields については、有料アドオンを買っています。アドオン購入することで、プラグイン自体の開発が維持されやすくなるでしょうから、自分に必要なアドオンがあれば買ったほうがいいでしょう。開発が止まったときに、自分でメンテナンスすることの大変さを考えれば、アドオン購入して開発を維持してもらうほうが良い、という判断です。同じ理由で、Hybridテーマでは、有償サポートプラン($25/年)に加入しています。Hybrid テーマ自体は無料で入手可能です。