WordPressでサイトを構築する場合について考えてみます。時系列で管理するコンテンツが、たとえば「イベント情報」「お知らせ」「コラム」といったジャンルに分類できるケースを考えてみましょう。
「本格ビジネスサイトを作りながら学ぶ WordPressの教科書」では、カテゴリとカスタム投稿のどちらも使われています。「教科書」ということで、両方を紹介しているのだと思われます。
- カスタム投稿タイプを利用する
- カテゴリを利用する
- 著者を利用する
- マルチサイトにする
等が考えられます。それぞれに特徴があります。選択する時は、ユーザが記事を書いて投稿するフローも考慮に入れましょう。
カスタム投稿タイプを利用する
カスタム投稿タイプを設定するために、functions.phpに記述する等のカスタマイズが必要になります。
管理画面から投稿する
カスタム投稿タイプの場合、管理画面に投稿タイプ毎のメニューが作成されるので、楽です。
外部アプリから投稿する
WordPress の仕組みとしては、XMLRPCを利用することでスマートフォンアプリ等からカスタム投稿に投稿できます。ただし、カスタム投稿に対応していないアプリを使用する場合は、アプリの改造が必要になることもあります。
カテゴリを利用する
WordPressの標準機能なので、カテゴリIDを調べてテンプレートに指定すれば特定カテゴリの記事のみを表示できます。カスタマイズする手間はほとんどかかりません。(カテゴリの重複選択を許可しないようにしたい、といった場合はカスタマイズが必要になります。)
管理画面から投稿する
管理画面で独立したメニューにはなりませんので、記事毎にカテゴリ選択するのが面倒かもしれません。Select Category to Postのような補助があると楽でしょう。
外部アプリから投稿する
WordPressに投稿できるアプリであれば、ほとんどすべてのアプリが、投稿記事のカテゴリを選択できます。
著者を利用する
「お知らせ」「イベント情報」などにそれぞれ著者を割り当てる方法です。更新担当者が異なる場合は、この方式だと楽です。WordPressの標準機能を使っているので、ほとんどカスタマイズが不要です。
管理画面から投稿する
カスタム投稿やカテゴリを選択する手間がかかりません。(カテゴリを利用する場合とは異なり)重複選択する、という作業ミスも生じません。なので、担当者が一人であっても、この方式は検討する価値があります。ただし、投稿するジャンル毎にログインユーザを切り替えるか、編集者等の権限で投稿者を変更する必要があります。
外部アプリから投稿する
WordPressに投稿できるアプリであれば、すべてのアプリが対応します。ただし同じ端末から複数のジャンルを投稿したい場合、アプリが対応しない場合や、アプリの設定が面倒な可能性があります。
マルチサイトにする
「お知らせ」「イベント情報」などを子サイトにする方法です。マルチサイトを構築する手間がかかります。
管理画面から投稿する
子サイトを選択して投稿することになります。(著者を利用する場合とは異なり)ログイン情報は一つでかまいません。
外部アプリから投稿する
WordPressに投稿できるアプリであれば、すべてのアプリが対応します。ただし同じ端末から複数のジャンルを投稿したい場合、アプリの設定が面倒な可能性があります。
どれを選択すべきか
実際に記事を投稿するとき、どうやって投稿することが多いか、を基準に考えましょう。管理画面からのみ投稿するのであれば、どの方式でも構いません。
スマートフォンからカスタム投稿に投稿する
WordPress自体は、XMLRPCでカスタム投稿を受けることができるので、アプリを自分で作れば、投稿することができます。ただし、既存の外部アプリから投稿する場合は、カスタム投稿は対応していないアプリが多いので注意してください。詳しくはWordPress カスタム投稿タイプでウェブサイト制作をごらんください。
スマートフォンアプリの改造や自作までは行いたくない、という場合は、カスタム投稿は避ける、という選択もありえるでしょう。