一万冊売ってわかった!電子書籍を売る方法を読みました。アジア転職読本等で有名な森山たつを(もりぞお)さんが、電子書籍を売った体験を綴っています。
素人の書いた本は読みにくい、という話。これは間違いないですね。紙の書籍はプロの編集を経て出版されます。私も現在執筆しているのですが、出版社を通す事の効果は大きいです。「○○について詳しい人が書いた説明」は必ずしも理解し易い文章ではないのですが、それを「○○について知りたい人が理解し易い説明」にきちんと編集してくれます。(技術書の場合です。小説やエッセイの場合は異なるかもしれません。)
電子書籍は書くよりも売るほうが大変、という話。電子書籍ストアにあるだけではほとんど売れないです。上位に来ると、露出が増え、買う人が増え、さらに順位が上がる、ブログやSNSで言及する人が出てくる、と良いサイクルができます。しかし、そうでないと、なかなか売れないですね。私の「WordPress3.5対応 テーマカスタマイズのためのPHP(現在はWordPressユーザーのためのPHP入門 はじめから、ていねいに。という名前で書店等で購入できます)」の場合は、wp-dという技術系のブログで紹介されたのがきっかけでした。
仮想敵を作る、というのは面白いですね。もりぞおさんの場合は「深夜特急」を仮想敵として、順位が上がった、下がった、とツイッター等で報告していたそうです。単純に「今、○○位です」とつぶやくよりは注目されやすいだろうな、と思いました。
ブログで無料公開しているコンテンツでも売れる、という話。私の本も、大半は公式ドキュメントに掲載されている内容です。しかし、想定する読者やテーマを考えて、それに合わせて内容や記述順を吟味すれば、有料でも売れますね。もりぞおさんが書いているように、「アマゾン」というのも大きな原因でしょうけど。(詳しくはもりぞおさんの電子書籍を読んでください。)
お金の話。まだまだ電子書籍の市場が狭いため、電子書籍執筆で生計を立てるのは難しいでしょう。個人のブランドを確立して、メルマガやセミナー等も絡めて活動する、という形になるでしょう。
興味深かったのは、小額課金によるNPO支援、というアイデアです。私も以前、言い値書店で、
読者が、応援したい著者を金銭的にサポートする形で支払う、というような形式で発展していくといいな、と思います。例えば、NPOやボランティア団体が活動報告を言い値書店で販売し、賛同する人が有料で購入することで支援する、というような形です。
と書きました。この方式が広まることで、きちんと活動している NPO にはお金が回るようになるのでないかな、と思います。助成金頼みよりは健全だと思いますし。