Standing on the Shoulder of Linus

Home / 2014 / 2月 / 04 / 祝!言い値書店一周年

祝!言い値書店一周年

言い値書店が開設一周年となりました。言い値書店は、オンライン電子書籍販売ストアですが、無料から2000円の範囲で、購入者が払いたい金額を払うことができる、という特色があります。

似たシステムのサイトにはLeanpubがありますが、こちらは販売者が最低価格を設定することができるようです。

詳細なデータは言い値書店 データブック 2013-2014で公開されています。これを読む限り、まだまだ利用者は少ないなあ、という印象です。

アマゾンにしろ、楽天にしろ、元々オンラインショッピングを運営していて、電子書籍にも参入しています。他の電子書籍ストアも、出版事業を行いつつ、という所が結構あります。純粋に電子書籍の販売だけ、となると集客や宣伝が難しいかもしれないですね。

言い値書店を支持する理由

アマゾンのキンドルダイレクトパブリッシングと比較すると、言い値書店のほうが小回りが効く、と思います。言い値書店では、ファイル形式はpdf,epub,mobi,zip等が可能です。また、書籍を更新した場合に、プッシュ通知に対応しているのは嬉しいですね。購入者は、購入した書籍が更新されたときに通知を受け取ることができます。(受け取らない設定もできます。)書籍の更新をしたとき、通知できるのは、著者読者双方に嬉しいと思います。IT系の書籍だと、ちょくちょく改訂することがあるので、この仕組みは良いですね。

しかし、個人的には「購入者が払いたい金額を払う」という所が面白いと思いました。紙の書籍だと、物理的な都合があり、「0円から2000円の範囲でご自由に」というのは難しいと思います。この仕組みは電子書籍ならではだなあ、と思います。ただデータブックの売上からすると、初年度はサーバー代を払ったら赤字らしいですが。

有料で購入されるのか?

少なくとも私の販売しているWordPress Advanced Custom Fields の使い方は、有料購入者が結構います。有料購入すると、おまけが手に入ることも理由にあげられると思います。

扱っている内容の影響も大きいと思います。この本は、WordPressのプラグインについて書いた本です。WordPress本体が無料ということもあって、WordPressプラグインは完全無料のものが多いです。しかし、Advanced Custom Fieldsプラグインは、有料アドオンがあります。Advanced Custom Fieldsプラグインに似たプラグインで、完全無料のものもあるようですので、「有料は嫌だ、無料で手に入れたい」という人は、あえてAdvanced Custom Fieldsプラグインを使わなくても良いでしょう。それにも関わらず、Advanced Custom Fieldsプラグインを使う、という人は、私もその一人ですが、「良い物ならお金を払う」という人が比較的多いのだろう、と思います。このため、

私の書籍の読者層に「良い物ならお金を払う」という人が比較的多い → 書籍を有料で購入する人が多い

という可能性が考えられます。とはいえ、このあたりは、書籍の内容によって異なりそうです。なので、言い値書店は万人向けのサービスではないかもしれません。しかし、言い値書店のユニークな仕組みが生かせる場合、言い値書店で出版したら面白いと思います。

関連

Posted in book | Tagged 電子書籍
← 2/8(土)開催!WordPressセキュリティを考える会第四回 情報セキュリティシンポジウム 「スマホとDBの3つの関係 A・B・C」に参加しました。 →

アーカイブ

人気の投稿とページ

  • キンドル本を印刷する(PDFに変換する)方法
  • 名古屋駅から国際センターまでの道のり(徒歩)
  • AGPL ライセンス(GPLとは似ているが違いもある)
  • 6年使ったイーモバイル(Y!mobile)を解約手続。店頭でSIM返却
  • JP-Secure SiteGuard WP Pluginは不正ログイン防止に役立つか

プロフィール

水野史土:月70万PVホームページ制作会社のレスキューワーク株式会社で、PHPソフトウェアのサポートを行っている。concrete5コミュニティリーダー、Novius OSコアコード貢献者でもある。 詳しくは管理者詳細参照。
大好評WordPress書籍「WordPressユーザーのためのPHP入門 はじめから、ていねいに。」サポートページ

Copyright © 2015 Standing on the Shoulder of Linus.