OSC東京のCMS大集合~パネルディスカッションに参加しました。参加したのはJoruri,WordPress, NetCommons, Concrete5, Novius OS, Geeklogでした。(並び順は当日の発表順番です。)
パネルディスカッション自体は、開発側からの話が多かったのですが、「利用者」という視点から振り返ってみたいと思います。
CMSの利用者(お客)は誰か
この点ですが、単純そうにみえて、実は簡単ではありません。ウェブサイトの運営者(更新者)なのか、ウェブサイトの訪問者なのか。もちろん、開発者(ウェブ制作会社)という考え方もあるでしょう。
ウェブサイトの訪問者を中心に考えるCMS
パネラーの方は言及されていませんでしたので私の判断ですが、Joruriが素晴らしいですね。Joruriは自治体サイトに強いのですが、静的HTMLを生成することで高速表示ができます。おそらく、自治体の更新担当者だけでなく、自治体の住人(情報を求めてウェブサイトにアクセスする人)が快適に閲覧できるか?も想定しているのでしょう。そのため閲覧速度もかなり重視している、と。
Novius OSはどうか、というと、情報発信中心(create once publish everywhere)なので、ウェブサイトにアクセスする人の快適性はかなり重要です。このため高速なFuelPHPフレームワークをベースにする、フロントエンドでの編集機能は搭載しない、等の工夫がなされています。現状は標準機能では無いですが、FuelPHPのRest Controllerを使ってXMLやJSONで出力する機能も計画中です。
ウェブサイトの運営者を中心に考えるCMS
「更新がしやすい」「管理がしやすい」というのが売りのCMSはこの考え方が中心です。フロントエンドから編集できること、グループ毎に権限を分けられること等、運営(コンテンツ更新)がしやすいように工夫されています。今回のパネルディスカッションのCMSでいえば、NetCommonsやConcrete5がこの考え方ですね。
Geeklogは両方考慮されているようですが、どちらかというとこちらでしょう。
WordPressはどっちつかずな気がします。利用者が多いので、「特定の目的に特化する」というのは難しいのかもしれません。
CMSのポリシー
CMSのお客は運営者か?訪問者か?という問題ですが、どちらが正解、というものではないと思います。CMSのポリシーによって異なるのだと思います。「concrete5はお客さんの受けがいい」というとき、おそらく「お客」=「運営者」という意味で使っていると思われます。
もちろん運営者が更新しなければ、いくらサイト表示が速くても意味が無いので、運営者が使い易いのは重要なのですが。
CMSのポリシーがそれぞれ異なるとすれば、それぞれのCMSのポリシーを理解して、ウェブサイトの特性に合ったものを選べば、効率よくウェブサイトが構築できる、ということだと思います。
今後どうするか
Novius OSとは方向性が異なるCMSもカバーしておきたい、と思いました。なので、今後はconcrete5へのリソース配分を少し増やそうかな、と思いました。