concrete5 公式活用ガイドブック (Web Designing BOOKS)を読みました。日本語で記述されたconcrete5の本としては、おそらく初です。電子書籍でも販売されています。
concrete5の最大の特徴は、ページの表示画面で直接見たまま編集できる、という点でしょう。これにより、自分が編集したい箇所を編集するために、わざわざ管理画面へ移動しなくても良く、更新しやすいです。
concrete5では、公式のマーケットプレイスが用意されており、開発したテーマやアドオンを販売することができます。その他にも、フォーラムで回答したり、concrete5の宣伝をしたりすると、karmaポイントがたまる、というゲーミフィケーション的な要素もあります。
書籍について
最初の3章は初めてconcrete5を使う人向けです。concrete5は他のCMSと比べてかなりとっつきやすいので、書籍がなくてもなんとか使えそうな気もしますが、日本語のまとまった情報が得られる書籍は貴重だと思います。この本にはキャプチャ画面が多数載っているので、初めてウェブサイトを作る、という人でも、おそらく読み進めることができるのでないかな、と思います。ウェブ制作者なら、操作マニュアル代わりにクライアントに一冊渡しておくと良いと思います。
また、ブロック、サイトマップ、コンポーザー等の用語についての解説がしっかりしているので、とりあえずconcrete5を使っている、という人も、concrete5の機能の確認ができると思います。
4章はテーマを作る、という章です。concrete5にはマーケットプレイスがあるので、そこからテーマを入手して使うことができますが、オリジナルのテーマが使いたい、という人もあるでしょう。かなり詳しく書いてあるので、この章をしっかり読めばconcrete5のテーマが作れるようになると思います。
テーマの注意点としては、concrete5自体のCSSと干渉しないように作らないといけない、jQueryのバージョンをconcrete5とあわせたほうが良い、という点があります。これは「ページを見たまま編集できる」という特徴の副作用なので仕方ないのですが、この点にも触れて欲しかったですね。「テーマのCSSと、CMSのCSSとの干渉をテーマ開発者が面倒見なければならない」というデメリットがあってもconcrete5を使う価値はあると思うので。
5章は運用に関する章です。concrete5はこの点もかなり配慮されています。権限については、標準権限モードと上級権限モードがあります。上級権限モードでは細かく設定できるので、複数人での運用(ルールもきっちり決める)では重宝すると思います。
6章は開発者向けの章です。ページ数が少ないので、この章だけで開発できるか、というと、ちょっとキツい気はします。concrete5の情報を読む必要もあると思います。ただ、この章を読んでおけば英語の情報を読んだ時に理解し易いかな、と思います。
この本を読んだほうがいい人
ウェブデザイナーでconcrete5に興味がある人。4章のテーマの解説がかなり詳しいので。
他の本を読んだほうがいい人
プログラマーの人。concrete5 Beginner’s Guide, Second Editionのほうが、開発に役立つ情報は詳しいです。