アマゾンキンドルで「Matt Mullenweg: The Young Man Who Made It Easy to Publish on the Web (English Edition)」という書籍が販売されていました。洋書ですが、平易な英語で書いてあり、それほど長くないので、読みやすいと思います。
ジャズ好きな青年
Matt Mullenwegがジャズ好きなことが紹介されています。学生の頃、コンピュータを教える代わりにジャズについて教えてもらう、ということをしていたらしいです。WordPressのメジャーバージョンにはジャズミュージシャンの名前がつけられており、バージョン4.1はDinahです。
b2からWordPressへ
WordPressプロジェクトを始める話が、一番興味深いと思います。
WordPressには、実は前身のソフトウェアがあります。b2というソフトウェアで、Michel Valdrighiさんが作成しました。WordPressをダウンロードしてlicense.txtを読むと、その旨の記載が確認できます。
Matt Mullenwegは、b2を使ってブログを書いていたらしいです。しかし、b2の開発が一時期滞ったことがありました。そのときにMatt MullenwegとMike Littleの二人がb2をフォークして新しいプロジェクトを立ち上げました。フォークとは、既存のプロジェクトから分岐して新しいプロジェクトを始めることです。名称をb2からWordPressに変更しました。なおb2には、François Planqueさんが始めたb2evolutionというフォークプロジェクトもあります。こちらもメンテナンスが続けられているようです。
オープンソース
b2は、GPLという、オープンソースライセンスで配布されていました。オープンソースは、利用者に改変や再配布を許可したライセンスです。またGPLは販売等の商用利用を許可しています。このため、WordPressはまったくのゼロからではなく、ブログとして実績のあるb2をベースにスタートできました。この体験があるからか、後にMatt Mullenweg氏は、オープンソースにこだわった発言をしています。
また、wordpress.orgに登録されるテーマ・プラグインは、スタイルシートや画像などもGPL互換なライセンスが要求されています。WordCampで紹介されるテーマ・プラグインにも、この要求が適用されています。(この点は、本来のGPLが要求する基準よりも厳しいため、反対する方もいます。)
WordPressの使い方やプラグインの紹介ではありませんが、興味を持った方は読んでみてはいかがでしょうか。