オープンソースソフトウェアのローカライズ
日本発祥でないソフトウェアは、日本語版がリリースされるとしても元のソフトウェアより遅くなる傾向があります。逆に日本発祥のソフトウェアの場合は、英語版が遅くリリースされる傾向があります。要はローカライズ版が遅くなる、ということです。タイムラグはプロダクトにより、一日だったり、一週間だったり、一ヶ月だったりしますが、遅くなる、という点は変わりません。
開発や翻訳に関わっていると、こうなってしまいがちな事情も分かります。でもこれは私の好みではないな、と思っていました。
Novius OS 日本語版を作らない
Novius OS では、言語リソースはプログラム本体と一緒に配布します。公式リリース版(Novius OS Chiba)が日本語対応しているため「Novius OS 日本語版」は必要ありません。novius-os.jpは、日本語で Novius OS を紹介していますが、ソフトウェアとしては公式リリース版のみです。
コアチームとローカルチームが一体で進む
日本語同梱でリリースするには、当然ですが本体のバージョンアップ時に、日本語リソースが完成していなければなりません。またリリース時のチェック項目も増えるため負担が大きくなります。このせいもあって、「ローカル版はローカルチームがリリースする」というソフトウェアもあります。
しかし、新バージョンがリリースされ、しばらく経過してから日本語版が出てくる、というのは、利用者から見てどうでしょうか。アップデートの手間がかかる、という現実的な問題も、もちろんあります。しかし、それだけではありません。コアチームとローカルチームがばらばらに作業しているように見えるのではないでしょうか。使い始める時点では、内情まで調べて評価するより、外からみた印象の影響が大きいと思います。きちんとコミュニケーションを取っていたとしても、コアチームとローカルチームの足並みが揃っていない、という印象を与えてしまったら、大きなマイナスだと思います。
Novius OS は、「コアチームとローカルチームが一体で進む」選択をしました。開発の負担は増えるかもしれない、けれども、それ以上に、「本体が日本語対応」のメリットが大きい、私はそう思います。