中小企業では、退職金制度が無いところもあります。退職金制度を作るとなると、退職金に当てる予定の資産を管理しなければならず、かなり大変です。予定利率の設定によっては、従業員が退職金を受け取るときに、積み立て不足になって大慌て、なんて可能性もあります。中小企業では、従業員が退職するより先に会社が倒産してしまうかもしれません。
そのような場合に、役立つのが中小企業退職金共済(中退共)です。
会社の事務負担は少ない
退職金は、大企業とかだと当然のように貰えるかもしれませんが、労働契約上、支払いは任意です。このため退職金を出さない企業もあります。とはいえ、退職金を出してくれる会社のほうが従業員も嬉しいと思います。かといって、退職金を積み立て、資産の管理を行う、となったら、かなり大変です。経理事務が得意な人は良いかもしれませんが。
なので、中小企業のIT活用を支援するレスキューワーク株式会社では、中退共を選択しました。中退共は、会社の事務負担が軽いです。加入時に従業員名簿の届出を行い、あとは毎月の掛け金の納付(銀行口座からの引き落とし)を行うだけです。掛け金は月5000円から月30000円までが選べます。短時間労働者(パートタイマー等)の場合は月2000円から可能です。
加入条件:企業規模が大きくないこと
中小企業向けの退職金共済、ということで、企業規模の大きさに制限があります。以下のようになっています。
一般業種(製造業、建設業等):300人以下または資本金3億円以下
卸売業:100人以下または資本金1億円以下
サービス業:100人以下または資本金5千万円以下
小売業:50人以下または資本金5千万円以下
IT関係の企業だと、よほど大きくない限り、この範囲内ではないかな、と思います。
加入対象は従業員
中退共は、従業員対象の退職金制度です。社長(代表取締役)は残念ながら対象外です。同居の親族は、実際に従業員としての実態があれば加入できます(昔は加入不可だったらしいです)。弊社の社員には、同居の親族はいないので、この点の詳細(どのくらい働いていれば認められるのか)は分かりません。社長の退職金準備は、公的な制度を使うとしたら小規模企業共済か、確定拠出年金か、といったところでしょうか。
利回りは低い
中退共の利回りは低いです。加入期間によりますが、だいたい金利1%ぐらいです。中退共の代わりに、その分を運用したほうが儲かる、という可能性もあります。