CMS Funというイベントが、2月21日(土)にベースキャンプ名古屋で開催されました。
今年は、concrete5をメインに、Novius OSをサブにする予定です。なので、concrete5を使う理由、Novius OSを使う理由、複数のCMSを使う理由、という順で進めます‘。
concrete5を使う理由
理由その1: 見たまま編集
ウェブページを実際に見た状態で、編集を加えていく、という方式です。この方式だと、ウェブページを更新する人が戸惑うことが少なく、ウェブページがきちんと更新されていく、という流れが作りやすいです。
もちろん、他のCMSでも「見たまま編集」できるものは多くあるのですが、concrete5は開発の初期から、「誰もが更新しやすいように」という観点で「見たまま編集」が実現されていました。
理由その2: 標準機能+アドオン
concrete5は、標準機能でフォームも作れるし、承認機能も一段階ある(有償アドオンで多段階の承認フローが可能)し、と、コーポレイトサイトなら、たいていの機能が標準でそろいます。それだけではありません。凝った機能を追加したい、という場合、アドオンが用意されています。
アドオンは、審査に通ったものが公式登録されています。無償での配布の他、有償での販売も公式ディレクトリで可能です。ライセンスも、アドオン作者が決めることができます。逆に使う人は、使う前に調べる作業が増えますけど。
公式ディレクトリで販売できることで、サードパーティで開発に参加する場合に収益を確保しやすいです。もちろん、実際にアドオン販売だけで生きていくのは難しいかもしれませんが、自社案件で作成したプログラムを販売することで追加の収益を上げる、ということができるのは嬉しいですね。
アドオンを使う側としても、「有償サポートを受けられる」「開発者を金銭的に支援して、開発を継続してもらう」ということができるわけです。また、「無償のものしか使いたくない」という人は、アドオンの検索時に絞り込みすることができますから、各自の好みに合わせて選ぶことができます。
また、アドオンの機能に応じて、「初心者でも安心」から「詳しい人向け」に分けられています。Beginner, Intermediate, Expert, Bleeding Edgeの4段階があります。安定運用したい人はBeginner, Intermediateから選択すればよいですし、様々な拡張機能を使いたい人はExpert, Bleeding Edgeも含めて選ぶ、と、各自の判断で決めることができます。
理由その3: 日本語対応
個人的には、この三番目の理由が一番大きいです。ウェブ制作者はともかく、一般の人であれば「日本語で使いたい」という要望が出るのは当然でしょう。
concrete5.7から、日本語対応になりました。5.6系だと、本家リリースから日本語版がでるまでタイムラグがあるのですが、5.7系では同時リリースとなりました。5.6系を使う場合は、「日本語版が出るまで時間差がある」という点を納得してもらう(すくなくとも、理解して妥協してもらう)、というのが必須でした。本体が日本語対応していれば、最新バージョンがすぐ利用できますし、クライアントに我慢を強いる必要もありません。
5.6系までは、私はいくつか翻訳したぐらいで、それほど活動していなかったのですが、5.7系からはもっと関わろうと考えています。
Novius OSを使う理由
Novius OSを使う理由は、理由その3はconcrete5と共通です。ですが、理由その1、理由その2が全く逆になります。
理由その1: コンテンツごとの編集
Novius OSではコンテンツの編集は、コンテンツごとに画面を設計します。このため、コンテンツ編集と出力とは分けられます。最終的にHTML出力できればよい、という場合は手間が余分にかかります。しかし、コンテンツというのはHTMLだけで使うとは限りません。
送信先がブラウザであっても、jsonで渡したほうが良い場合があります。送信先はiphoneアプリ、というケースもあるでしょう。あるいはデジタルサイネージに出力したり、紙のチラシのデータにも活用したり、ということが考えられます。将来、今までとは全く異なる表示形式のデバイスが出てくる可能性もあります。コンテンツごとにデータ構造をきちんと作っておくと、再利用するのが楽になります。
理由その2: 標準機能
アドオンを追加して拡張する、というのは、確かに便利です。ただしそれは、アドオンの信頼性をきちんと担保できる場合に限ります。concrete5は審査して頑張る、という方針で行くようです。
Novius OSは逆に、アドオンではなく、コア機能だけでシンプルに纏め上げる、という方針です。必要な機能があれば、標準機能を皆で改善する、という方針です。たとえば問い合わせフォームであれば、https://github.com/novius-os/noviusos_form/pulls?q=is%3Aprのように、本体同梱のものを皆で改善しています。
もちろん自分で機能を追加していく、ということはできるのですが、長期安定運用を考えた場合、機能が多い=良い、とは簡単にはいえません。
理由その3: 日本語対応
concrete5と共通です。
複数のCMSを使う理由
concrete5とNovius OSは、編集方法が大きく異なります。ウェブサイトの種類や、お客様の要望に応じて、好ましいものを選択することができます。「編集箇所を直感的に把握しやすい」を重視するのであればconcrete5ですし、他のデバイスやサービス連携を視野に入れるのであればNovius OSが有力になります。
もちろん、この2つの組み合わせである必要は無いのですが、1つだけで全部何とかするよりも、柔軟性があるように思います。